CASE.007 再生する

リノベーションという活かし方

リノベーションとは、通常の修繕工事だけではなく、機能や用途など新たに価値を付加し、土地と建築を再生すること。

これは元社宅を一棟まるごとリノベーションし、分譲マンションとして再生する計画。

ここでは、既存住棟に対する各種調査結果に応じた修繕を行った上で、既存の建物や敷地条件を活かして、新たな価値を付加するデザインとして、エントランスロビーとセキュリティーゲートを兼ねたロビー棟と住人どうしがコミュニケーションがとれるよう小さな広場を設けている。

 

これらは、既存の住棟に対しては部分的なことであるが、今ある素材(既存の住棟や植栽など)を最大限活用し、まわりに新しい小さなモノ(建築や工作物や家具)を配置することで、全体が新たな住環境を形成し機能するよう計画されている。

 

こうしたリノベーションにおいては、既存建築を注意深く観察し新しい文脈で読み替えることで、古い記憶や周囲の環境と新しい空間が連続的に繋がり更新された風景を作り出す。

その風景が魅力を持ち得るためには、いまここにある環境を肯定する視座と更新された姿を見通す想像力が求められている。